ノロウイルスは1972年にその形態が明らかになりました。ノロウイルスは乳幼児から高齢者まで広い年齢層で発症します。主に11月~3月の冬季に現われますが、年間を通して感染はおこる様です。症状としては下痢だけでなく嘔吐を引き起こす事が特徴です。嘔吐の場合、処理・消毒を適切にしないと床に残り乾燥し空気中に舞い上がり感染が広がることもあります。また便や嘔吐物の処理は使い捨ての手袋を使用しペーパータオル等で取り除きビニール袋に入れる様にし、残った汚物は塩素系消毒剤(漂白剤)を希釈した物でよく拭き取る様にしましょう。
治療法としては有効な抗ウイルス剤はなく、通常、対症療法がおこなわれます吐き気を抑える薬や胃腸を整える薬などの飲み薬、脱水症状に伴う点滴などで症状を緩和します。また無理に下痢を止めるとウイルスが腸管内に溜まりますので、強い下痢止めは使用しないことが大切です。
予防としては基本は石鹸での手洗いになります。しっかり洗う事により手の油分を落とすことによりウイルスも落ちやすくなります。あとは乾燥を防ぐために保湿クリームを塗っておいてください。
次に食品は加熱する様にしてください。二枚貝(牡蠣、アサリ、シジミ、ハマグリ)が有名ですが、それ以外からの感染も報告されています。厚生労働省から発表されている物では85度で1分間以上の加熱をすればウイルスの感染性はなくなるとされています。
この時期はノロウィルスだけでなく風邪、インフルエンザなどにもかかりやすい時期ですのでそちらの方の予防も気をつけていただきたいと思います。